フィリピン産バナバ(オオバナサルスベリ)の遺伝資源収集、増殖、コロソリン酸抽出およびSSRマーカーを利用した多様性解析に関する研究

寺田 順紀 国際食料情報学部国際農業開発学科 准教授

専門分野:園芸科学関連

nt204361@nodai.ac.jp
小塩 海平 国際食料情報学部国際農業開発学科 教授

専門分野:園芸科学関連

koshio@nodai.ac.jp
矢島 新 生命科学部分子生命化学科 教授

専門分野:生物有機化学関連

ayaji@nodai.ac.jp
下口 ニナ 国際食料情報学部アグリビジネス学科 准教授

専門分野:農業社会構造関連

n3nocon@nodai.ac.jp
細田 浩司 生命科学部分子微生物学科 准教授

専門分野:応用微生物学関連

h1hosoda@nodai.ac.jp

画像をクリックすることで拡大画像を表示します。

キーワード
  • バナバ(オオバナサルスベリ)
  • 糖尿病予防・緩和
  • コロソリン酸
  • キャパシティ・ディベロップメント
研究の背景と目的
バナバはフィリピンにおいて千年以上にわたって栽培され、民間薬として利用されてきた。糖尿病、肥満、便秘などに対する効果があるとされ、特に2型糖尿病に対する有効性が注目されている。2型糖尿病の患者数は世界中で増加傾向にあり、フィリピンでは成人の糖尿病患者数が3000万人に及ぶと報告されている。しかし、フィリピン国内のバナバにおけるコロソリン酸含量の多様性に関する研究はほとんど行われていない現状がある。そこで、コロソリン酸含有量が多い品種を特定し、増殖すること、そして効率的かつ環境に優しい方法でコロソリン酸を抽出する技術を開発することを目指し、日本とフィリピンをはじめとする世界中の糖尿病患者に役立つ技術を創出することを目標としている。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
フィリピンでは社会経済の成長と共に糖尿病の罹患率の上昇に対処するため、伝統的に民間薬として利用されてきたバナバの効用が再評価が期待できる。バナバの有用性を検証し、その普及を図ることで、フィリピンの糖尿病予防と緩和に貢献することが考えられる。また、バナバを利用したアグロフォレストリーの取り組みやバナバ茶の生産、フェアトレードは農業従事者の所得向上に繋がり、特に女性のキャパシティ・ディベロップメントを促進する。さらに、バナバは乾燥地や痩せ地でも生育可能であり、環境修復や雇用創出にも寄与する。本研究を通じて、フィリピンだけでなく、日本を含む国際社会での糖尿病対策や持続可能な農業開発に貢献し、新たな産業としての可能性を探ることも期待できる。
シーズの特徴
糖尿病治療への応用可能性
糖尿病が世界的に増加傾向にある中で、バナバの葉に含まれるコロソリン酸が2型糖尿病に対して有効である報告があることから、自然由来の治療法や予防法の開発につながる可能性がある。
グローバルヘルスへの貢献
バナバの有効成分の研究は、先進国のみならず発展途上国においても糖尿病患者の治療アクセスを改善することが期待される。特に保健医療システムが未発達な地域での、手軽で安価な治療法として期待できる。
持続可能な農業開発への貢献
バナバの効率的な増殖方法と環境に優しいコロソリン酸抽出技術の開発は、地域資源の保全と持続可能な農業実践への貢献に寄与する可能性がある。特に、多様なバナバの特性を活かせば、農地利用の多様化や農業生態系の保全にも繋がる。
同じ専門分野のよく閲覧されているシーズ

玄米摂取が非アルコール性脂肪肝に及ぼす影響の分子機序の解析

  • 山本 祐司教授

    応用生物科学部

  • 亀井康富教授

    京都府立大学

  • 重村泰毅准教授

    東京家政大学

  • 藤巻 貴宏助教

    応用生物科学部