新機能の開拓に向けたミニシクロデキストリンの合成研究

研究期間 2021年04月
若森晋之介 生命科学部分子生命化学科 助教

専門分野:生物有機化学関連

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キーワード
  • 環状オリゴ糖
  • シクロデキストリン
  • 包摂・徐放
  • 新機能
研究の背景と目的
シクロデキストリン(CD)は,環状化したα-1–4-D-グルコピラノシドのオリゴマーである。一般的には,環状6〜8量体(CD6〜8)を指す。内部が疎水性の空孔があり,外部が親水性であるため,空孔に化合物を取り込んだり(包摂),包摂した化合物を徐々に放出(徐放)したりする性質を有する。また,これらはD-グルコースだけで構成され毒性がなく,酵素法で大量合成されるため安価であることから,科学研究のみならず食品・医薬品・化粧品・樹脂の堅牢化など,広範な分野で利用されている。 これまでCD5が最小であったが,さらに小さいCD(ミニCD)を世界で始めて化学合成した。本研究では,ミニCDの量産方法の開発とともに,ミニCDの物性・機能を調査する。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
ミニCDは,現物なしで議論だけが先行し,存在できないとすらされてきた。つまりミニCDの性質は,全く未知である。ミニCDは,環のサイズが小さくなるにつれ,構成するグルコースの歪みが大きくなるため,従来のCDsとは異なる機能を有すると期待されている。例えば,一般的なCDを素通りする小さな化学種の包摂が挙げられる。また,その空孔の狭さから,中心部の極めて高い電子密度による機能や新概念の創出が可能になると考えられる。
シーズの特徴
特徴1
ミニCDはグルコースの立体構造が歪むため,その存在が疑問視されてきたが ,本研究チームでは世界に先駆けて,その合成を達成している。
特徴2
サイズが小さくなるにつれ,構成するグルコースの歪みが大きくなるミニCDは,従来のCDとは異なる機能を有することが期待されている。
PR・マッチングに関する要望

マッチング希望内容

化学,食品,医薬品,農薬,化粧品,香料

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