オオムギ耐病性化合物グラミンの生合成に関する研究

研究期間 2021年04月2022年03月
須恵 雅之 応用生物科学部農芸化学科 教授

専門分野:生物有機化学関連

sue@nodai.ac.jp

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キーワード
  • 植物
  • 二次代謝
  • 生合成
研究の背景と目的
植物が生産する二次代謝産物は、病害虫に対する植物の自己防御物質としての機能のほか、医薬品、染料、香料など有用化合物のソースともなる。二次代謝生合成経路では、化合物の基本骨格の形成がまず重要なステップとなり、環化、転位、炭素鎖の増加や減少、などが鍵となる反応であるが、いまだその機構が不明な代謝ステップが残されている。グラミンは、オオムギの一部品種が特異的に生産蓄積するトリプトファン (Trp)由来の二次代謝化合物で、オオムギの耐病性に寄与している化合物であるが、その生合成で鍵となる炭素鎖短縮の経路は不明である。最近我々は、この過程に新規の反応を触媒する酵素が関わっていることを示した。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
二次代謝の基本骨格形成に関わる新規反応を明らかにすることは、他の未知代謝経路の解明においてもブレークスルーになると考えられ、二次代謝研究全般へ大きく貢献するものと期待される。また、Trpからグラミンが生成されるステップは、アミノ酸の変換といった一次代謝から二次代謝への分岐点にあたり、植物二次代謝がどのような機構で多様化してきたのか、という課題を分子レベルで明らかにする一助となる。加えて、本酵素が属する酵素群は植物に限らず幅広い生物に存在し、生理活性物質の生合成・代謝、生体外異物の代謝など重要な役割を担っている。そのため、本研究より得られる知見は、生体における本酵素群の新たな機能の提唱にもつながるといえる。
シーズの特徴
特徴1
新規の二次代謝生合成反応の解明する
特徴2
植物病害抵抗性の向上を目指す
研究業績・研究室(URL)
https://dbs.nodai.ac.jp/view?l=ja&u=180
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