湿式メタン発酵システムの小型化

研究期間 2020年04月2022年03月
大西章博 応用生物科学部醸造科学科 教授

専門分野:応用微生物学関連

a1ohnish@nodai.ac.jp

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キーワード
  • メタン発酵
  • バイオマス
  • 微生物
  • バイオガス
研究の背景と目的
メタン発酵法は、微生物による多段階の反応により有機物からメタンガスと二酸化炭素を生成する技術である。原料は農産物や食品廃棄物などの生物系バイオマスを使用できる。現在日本では生物系廃棄物の処理処分のためにメタン発酵技術の社会実装と普及が課題となっている。しかしながら、メタン発酵法は処理に時間が掛かること、排液の二次処理が必要であるため施設が大規模になることが課題とされている。一方で、東京農業大学では「生ごみ溶解槽を適用した二相式メタン発酵システム」開発している。本システムは処理水が下水排除基準を下回るため、排水の処理施設が不要であり施設を小型化できる可能性がある。当該研究課題では、当該システムを更に小型化し、小規模分散型の需要に適用するための検討を実施した。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
メタン発酵グラニュールの活性化、汚泥馴養、性能検証試験を実施し、試験結果を取りまとめた。模擬食品廃棄物として生協やコンビニエンスストアの弁当を月曜日から金曜日に毎日購入して使用した。1日あたり100から200gの模擬食品廃棄物を処理し、安定的にメタンを生成できることを示した。これにより、施設を単純化し、小規模の食品系廃棄物の処理需要に対応可能な施設の可能性が示された。
シーズの特徴
特徴1
農産物や生物系廃棄物など様々なバイオマスからバイオ燃料(メタンガス)を生産できる。
特徴2
排水の水質が下水排除基準を下回ることから、直接下水放流が可能である。このため排水の二次処理施設が不要である。一方で、途中で引き抜く溶解槽引き抜き汚泥については他の処理技術の開発が課題である。
研究業績・研究室(URL)
https://dbs.nodai.ac.jp/view?l=ja&u=226
詳細シーズURL
https://researchmap.jp/read0117096

連携先

企業
三菱電機株式会社
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