新たな肉用牛「無角黒毛」の創出
―生産性とアニマルウェルフェアの向上を目指して―

研究期間 2021年04月2023年03月
庫本 高志 農学部動物科学科 教授

専門分野:動物生産科学関連

岩田 尚孝 農学部動物科学科 教授

専門分野:応用物理一般関連

野口 龍生 農学部 准教授

専門分野:動物生産科学関連

画像をクリックすることで拡大画像を表示します。

キーワード
  • 除角不要
  • 無角遺伝子
  • 肉用種
  • アニマルウェルフェア
研究の背景と目的
牛の飼養管理では、牛同士の怪我や飼育者への危険を防止するために除角という作業が行われます。除角は、一般的には、大きなカッターで角を切り落とし、切り傷を焼きごてで焼きます。牛にも人にもストレスがかかる作業です。牛の品種には無角遺伝子をもつ品種がいます。もし、無角遺伝子をもつ黒毛和種を作出できれば、ストレスフリーな美味しいお肉の牛ができると考えました。そこで、無角遺伝子をもつ黒毛和種を新たに創り出すことにしました。具体的には、無角和種と黒毛和種を掛け合わせF1を作り、さらにそれに黒毛を掛け合わせます。この掛け合わせを繰り返し、黒毛の血を濃くしていきます。最終的に得られる「無角黒毛」は、除角不要なため生産性とアニマルウェルフェアの向上に寄与します。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
1)「無角黒毛」は無角和種と黒毛和種から作り出されたため、和牛として流通します。 2)「無角黒毛」は黒毛和種の遺伝子を引き継いでおり、黒毛と遜色ない上質なお肉を提供します。 3)「無角黒毛」は除角不要なため、生産性と経済性と高めます。例えば、無角遺伝子は優性ですので、F1産子は全て無角になり肉用牛の生産性を向上させます。 4)「無角黒毛」はアニマルウェルフェアの向上に寄与します。アニマルウェルフェアとは、動物の心と身体の状態ことで、その向上が畜産現場にも求められています。 以上、「無角黒毛」は除角という人にも牛にもストレスを与える作業をなくします。生産性とアニマルウェルフェアの向上に寄与し、畜産業の発展に寄与します。
シーズの特徴
生産性の向上
「無角黒毛」は除角不要な黒毛和種です。黒毛の生産性と経済性と高めます。また、F1産子は全て無角になり肉用牛の生産性を向上させます。
アニマルウェルフェアの向上
「無角黒毛」はアニマルウェルフェアの向上に寄与します。人にも牛にもやさしいストレスフリーなお肉として付加価値を高めることができます。
PR・マッチングに関する要望

マッチング希望内容

肉用牛生産農家、酪農家、種畜会社

同じ専門分野のよく閲覧されているシーズ

日本ブランドエミューの創出を目指した遺伝・繁殖・栄養学的研究

  • 和田 健太教授

    生物産業学部

  • 平山 博樹教授

    生物産業学部

  • 相馬 幸作教授

    生物産業学部

  • 大久保 倫子助教

    生物産業学部

カラフルザリガニ~有用資源として幅広い可能性~

  • 武田 晃治教授

    教職・学術情報課程