低平地の農地土壌における排水改良に関する研究

研究期間 2020年10月
藤川 智紀 地域環境科学部地域創成科学科 教授

専門分野:地域環境工学および農村計画学関連

t3fujika@nodai.ac.jp

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キーワード
  • 排水改良
  • リサイクル
  • 畑地転用
研究の背景と目的
現在日本国内では,生産性の向上のために水田の畑地化や畑地における排水改良が求められています。そこで本研究では,土壌改良資材を混合することによって土壌中に大きな間隙を作り出し,土壌の透水性を上げることで排水性を改良することを試みます。土壌改良資材としては,リサイクル資材である溶融スラグをもちいて,資材の混合量や土壌の違いが,透水性上昇にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的にしています。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
本研究の結果,溶融スラグを混合することで,特に元々の透水性の低い水田土壌において透水性の指標となる飽和透水係数が大きくなることが明らかになり,混合率が0.3(土の質量と溶融スラグの質量が7:3となる様に混合)の時に飽和透水係数は約10倍になりました。保水性の測定からは,溶融スラグを混合することによって土壌中に大きな間隙が増加することが示されました。今後は,対象とする植物にとって最適な混合率の解明や,暗渠の被覆材としての効果の検証が期待されます。
シーズの特徴
特徴1
これまで経験によるところの大きかった“排水改良”技術を室内実験によって定量的に評価することを目指します。
特徴2
栽培試験や溶出試験を組み合わせることで,さまざまなリサイクル資材の土壌改良資材への利用可能性を検討可能です。
PR・マッチングに関する要望
農地の排水改良はまだまだ解明されていないことが多い技術です。現場での調査と室内での実験を組み合わせ,さらに土壌改良材だけでなく高畝栽培などの技術もあわせ,その場にあった排水改良方法が提案できるような研究に発展させたいと考えています。
研究業績・研究室(URL)
https://dbs.nodai.ac.jp/view?l=ja&u=286

連携先

企業
ワタミオーガニックランド株式会社
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