有機栽培における微生物燃料電池技術効果の検証

研究期間 2021年06月2023年03月
TOUCH NARONG 地域環境科学部生産環境工学科 准教授

専門分野:農業環境工学および農業情報工学関連

nt207118@nodai.ac.jp

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キーワード
  • 電極反応
  • 微生物活性化
  • 養分生成
  • 団粒化
研究の背景と目的
研究代表者は簡易な設備、小労力、かつ効率の高い微生物燃料電池技術(MFCT)の開発に成功しており、 MFCTによる硫化水素の除去や土壌の還元性の改善、堆積泥内微生物の活性化、底生生物の生息回復などを明らかにしてきた。また、MFCTは牡蠣養殖場の底質・水質保全や下水方流口付近に堆積する汚泥の浄化に適用されており、実用性の高い技術である。これまでの実用的な研究実績から、MFCTは有機栽培へ応用できると確信している。本研究ではMFCTと動電学的手法(ET)を拡張した技術(太陽電池で稼働するET)を開発し、本技術を適用した有機性土壌における作物の生産性の向上を評価することを目的としている。具体的には、養分生成と微生物の活性化および作物の成長に対する本技術の働きを解明する。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
本研究により、6 Vの太陽電池を用いた動電学的手法を排水なし有機性土壌に適用することで、アノードでの酸化反応により作物の成長が促進されるが、カソード周辺土壌では還元反応の影響で成長が阻害される。なお、土壌に灌漑排水を行うことで還元反応の影響が緩和され、カソード周辺土壌においても成長が促進されることが明らかになった。本研究の成果は水耕栽培に寄与できる可能性が高く、施肥量を低減できる新型水耕栽培システムの開発に貢献できる。
シーズの特徴
特徴1
土壌内に酸化還元反応を繰り返し引き起こす
特徴2
土壌内の微生物を活性化させ,養分を生成させる
特徴3
土壌の団粒化を発達させる
PR・マッチングに関する要望
企業に問わず,実用化に向けた共同研究を行いたい
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