ニコチン性殺虫剤の分子認識機序の解明

研究期間 2025年06月
寺島 健仁 生命科学部 助教

専門分野:ケミカルバイオロジー関連

tt207248@nodai.ac.jp

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キーワード
  • ニコチン性殺虫剤
  • 受容体分子認識
  • 分子設計
  • ケミカルバイオロジー
研究の背景と目的
ニコチン性殺虫剤には、ネオニコチノイドや多様なファルマコフォアを持ち高い環境安全性と優れた薬効を持つフルピリミンやフルピラジフロンなどの新規薬剤がある。これらは、昆虫ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)へ選択的に作用するため、優れた殺虫効果とヒトに高い安全性を示す。nAChRは5つのサブユニットから構成され、薬の結合部位はサブユニット境界面に存在するが、受容体全体の構造は昆虫/哺乳類間で大きな違いはない。一方、薬の結合ポケットアミノ酸の種類は若干異なるため、この違いが殺虫剤の選択性に寄与すると考えられる。そこで、なぜ殺虫剤は昆虫受容体に作用しやすく、哺乳類受容体に作用しにくいかを分子レベルで解明することをゴールとしている。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
農薬はヒトの生活に深く関わる化学物資である。人口増加、農作物耕作地の減少、農業の担い手不足などの問題がある中、農業生産性の向上に農薬は必須である。農薬を使用しない圃場では収穫量が平均して40%程度減るとも言われている。また、害虫や病原菌、雑草の薬剤抵抗性発達は急速であるため、既存薬剤に対する抵抗性を持つ物に対して効果の高く、安全性に最大限配慮した農薬の開発が常に必要である。そこで、本プロジェクトにより、分子レベルでの殺虫剤分子認識機構の解明(殺虫剤の昆虫/哺乳類間の選択性の解明)を基盤とすることで、抵抗性克服・高選択性・高安全性を同時に達成する創薬アプローチへ展開し、次世代型農薬開発の指針を提供できる可能性がある。
シーズの特徴
特徴1
ニコチン性殺虫剤の選択毒性の分子基盤を提供
特徴2
ファルマコフォアの違いによる受容体分子認識の差異を分子レベルで解明
特徴3
受容体構造に基づく創薬アプローチへ展開し次世代型殺虫剤の設計に貢献