抗薬剤耐性マラリア薬の創製を志向したアミノシクリトール系天然物の合成研究
小田木陽
生命科学部分子生命化学科
助教
専門分野:有機合成化学関連
mo208495@nodai.ac.jp
研究の背景と目的
マラリアは、マラリア原虫を有する蚊を媒介に人から人へ感染する世界三大感染症のひとつである。当該疾患の克服は、SDGsの第3目標にも掲げられており、科学者が取り組むべき重要な課題である。現在、第一選択薬であるアルテミシニンに対して耐性を獲得したマラリア(薬剤耐性マラリア)が出現し、その蔓延が深刻な問題となっている。したがって、アルテミシニンとは異なる作用機序により抗マラリア活性を示す新しい抗薬剤耐性マラリア薬の開発が強く望まれている。本研究では、深刻化する薬剤耐性マラリアの問題の解決に向け、新しい抗薬剤耐性マラリア薬の創製を志向したパクタマイシンの新規合成戦略の確立を目指す。
展開可能性(他領域・社会にどのようなインパクトを与えるか)
既存薬に対して耐性を獲得した薬剤耐性マラリアの撲滅には、新たな作用機序により抗マラリア活性を示す化合物が不可欠である。特にその作用機序の解明は、新規抗薬剤耐性マラリア薬の開発を大きく発展させる可能性がある。本研究によるパクタマイシンの新規合成法を基盤とした構造活性相関研究により、薬剤耐性マラリア選択的に毒性を示す誘導体を獲得することができれば、その標的生体高分子を同定することにより、新たな創薬シーズを提供することが可能となる。
シーズの特徴
特徴1
構造活性相関研究を見据えたアミノシクリトール系天然物の新規合成法を確立することで、抗薬剤耐性マラリア薬の創薬シード化合物の創出が期待できる。
特徴2
新規アミノシクリトール系天然物誘導体の作用機序の解明により、新たな創薬シーズを提供することが可能となる。